6.7.32 SourceSelectorByID

6.7.32.1 ノードの概要

複数の音源分離結果のうち,IDが指定した値以上のものだけを出力させたいときに用いる.

6.7.32.2 必要なファイル

無し.

6.7.32.3 使用方法

どんなときに使うのか

例えば,ノイズ(ファンの音など)が定常かつ既知,という条件下で音源分離をする場合など, 定常ノイズが存在することがわかっている場合に,そのIDを ConstantLocalization で指定しておくことで定常ノイズ以外の分離音だけを取り出すことができる.

具体的には, ConstantLocalization ノードでは,音源のIDをそのプロパティである MIN_ID でコントロールすることができるので,定常ノイズの音源数が1の時に, ConstantLocalization の MIN_ID を 0 に設定しておけば,定常ノイズのIDを 0 に固定できる.

この ConstantLocalization を LocalizeMUSIC , SourceTracker , CombineSource の各ノードと 図 6.135 に示すように組み合わせて, GHDSS ノードに接続すれば,常に定常ノイズに対応する分離音のIDを0にすることができる.

このとき, GHDSS ノードの後に SourceSelectorByID を接続し, SourceSelectorByID の MIN_ID を 1 に設定しておけば,ID が 0 の音源は無視されるので,定常ノイズ以外の分離音に 対応する音源だけを選択することができる.

典型的な接続例

6.135 に接続例を示す. 図に示すように,このノードは,典型的には GHDSS の後段に接続される.

\includegraphics[width=\linewidth ]{fig/modules/SourceSelectorByID}
Figure 6.135: SourceSelectorByID の接続例: これは Iterator サブネットワーク

6.7.32.4 ノードの入出力とプロパティ

入力

INPUT

: Map<int, ObjectRef> 型. 通常は音源分離ノードの後段に接続されるので, Map のキーになる int には音源IDが対応する. ObjectRef は分離を表すVector<float> 型 (パワースペクトル) か Vector<complex<float> > 型(複素スペクトル)である.

出力

OUTPUT

: Map<int, ObjectRef> 型. 音源IDがMIN_IDより大きいデータだけを 抽出したデータが出力される.Map の内容は INPUT と同じになる.

パラメータ

Table 6.133: SourceSelectorByID のパラメータ表

パラメータ名

デフォルト値

単位

説明

MIN_ID

int 

0

 

この値より大きいIDの音源は通す.

MIN_ID

: int 型. このパラメータ値以上の音源IDを持つ分離音を通過. デフォルト値は 0.