6.7.9 PowerCalcForMatrix

6.7.9.1 ノードの概要

Matrix<complex<float> > 型のマルチチャネル複素スペクトルを,実パワー(または振幅)スペクトルに変換する.

6.7.9.2 必要なファイル

無し.

6.7.9.3 使用方法

どんなときに使うのか

複素スペクトルを実パワー(または振幅)スペクトルに変換したいときに用いる. 入力が Matrix<complex<float> > 型のときはこのノードを用いる. 入力が Map<int, ObjectRef> 型のときは PowerCalcForMap ノードを用いる.

典型的な接続例

6.92PowerCalcForMatrix ノードの使用例を示す. MultiFFT ノードから得られた Matrix<complex<float> > 型複素スペクトルを,Matrix<float> 型のパワースペクトルに変換したのち, BGNEstimator ノードに入力している.

\includegraphics[width=.8\textwidth ]{fig/modules/PowerCalcForMatrix}
Figure 6.93: PowerCalcForMatrix の接続例

6.7.9.4 ノードの入出力とプロパティ

Table 6.70: PowerCalcForMatrix のパラメータ表

パラメータ名

デフォルト値

単位

説明

POWER_TYPE

string 

POW

 

パワーか振幅かの選択

入力

INPUT

: Matrix<complex<float> > 型.各要素が複素数の行列.

出力

OUTPUT

: Matrix<float> 型.入力の各要素のパワー(または絶対値)を取った実行列.

パラメータ

POWER_TYPE

: パワースペクトル (POW) か振幅スペクトル (MAG) かの選択

6.7.9.5 ノードの詳細

入力の複素行列 $M_{i,j}$ ($i,j$ はそれぞれ行,列のインデックス) に対して,出力の実行列 $N_{i,j}$ は次のように求める.

  $\displaystyle N_{i,j} $ $\displaystyle = $ $\displaystyle M_{i,j}M_{i,j}^*~ ~ (\textrm{if POWER\_ TYPE=POW}), $    
  $\displaystyle N_{i,j} $ $\displaystyle = $ $\displaystyle abs(M_{i,j})~ ~ (\textrm{if POWER\_ TYPE=MAG}), $    

ただし,$M_{i,j}^*$ は,$M_{i,j}$ の複素共役を表す.