一定の音源定位結果を出力し続けるノード. パラメータは,ANGLES, ELEVATIONS, POWER, MIN_ID であり, それぞれに音源が到来する方位角(ANGLES),仰角(ELEVATIONS), パワー(POWER),音源番号(MIN_ID)を設定する. 各パラメータは Vector なので, 複数の定位結果を出力させることも可能である.
無し.
どんなときに使うのか
音源定位結果が既知の場合の評価をするときに用いる. 例えば,音源分離の処理結果を評価する場合に,分離処理に問題があるのか, 音源定位誤差に問題があるのかを判断したいときや,音源定位を同じ条件にした 状態での音源分離の性能評価をしたい場合など.
典型的な接続例
図6.21に接続例を示す. このネットワークでは,一定の定位結果をIterate のノードパラメータに設定し た回数だけ表示する.
入力
無し.
出力
: Vector< ObjectRef > 型.固定の音源定位結果を出力する. ObjectRef が参照するのは, Source 型のデータである.
パラメータ
パラメータ名 |
型 |
デフォルト値 |
単位 |
説明 |
ANGLES |
<Vector<float> > |
[deg] |
音源の方位角(左右の向き) |
|
ELEVATIONS |
<Vector<float> > |
[deg] |
音源の仰角(上下の向き) |
|
POWER |
<Vector<float> > |
[dB] |
音源のパワー |
|
MIN_ID |
0 |
音源番号 |
: Vector< float > 型. 音源が到来している方向の,方位角(左右)を表す. 角度の単位は degree.
: Vector< float > 型. 音源が到来している方向の,仰角(上下)を表す. 角度の単位は degree.
: Vector< float > 型. 到来音源のパワーを指定する. LocalizeMUSIC が算出する空間スペクトルと同じ次元であり,単位は [dB]. 指定しない場合は自動的に 1.0[dB] が代入される.
: int 型. 各音源に割り振られる最小音源番号を表す. 各音源は後段処理で異なる音源と識別されるよう,音源番号はユニークである必要がある. 音源番号は ANGLES と ELEVATIONS で指定した第一成分から MIN_ID を最小番号として順に割り振られる. 例えば MIN_ID = 0 とし,ANGLES = <Vector<float> 0 30> とした場合,0度方向の音源には0番が,30度方向の音源には1番が振られる.
音源数を$N$,$i$番目の音源の方位角 (ANGLE) を$a_ i$,仰角 (ELEVATION) を$e_ i$とする. このとき,パラメータは以下のように記述する.
このように,入力は極座標系で行うが, 実際に ConstantLocalization が出力するのは, 単位球上の点に対応する,直交座標系の値 $(x_ i, y_ i, z_ i)$ である. 極座標系から直交座標系への変換は,以下の式に基づいて行う.
$\displaystyle x_ i $ | $\displaystyle = $ | $\displaystyle \cos ( a_ i \pi / 180 ) \cos ( e_ i \pi / 180 ) $ | (5) | ||
$\displaystyle y_ i $ | $\displaystyle = $ | $\displaystyle \sin ( a_ i \pi / 180 ) \cos ( e_ i \pi / 180 ) $ | (6) | ||
$\displaystyle z_ i $ | $\displaystyle = $ | $\displaystyle \sin ( e_ i \pi / 180 ) $ | (7) |
なお, 音源の座標の他に, ConstantLocalization は 音源のパワー (POWERで指定.未指定で$1.0$を自動的に代入) と音源番号 (MIN_ID + $i$)も出力する.