以上,HARK 1.0.0の概要を報告した. ミドルウエア FlowDesigner を使って,音環境理解の 基本機能である音源定位,音源分離,分離音認識をモジュールとして実現し, ロボットの耳への応用について概説した.
HARK 1.0.0は,ロボット聴覚研究をさらに展開するための機能を 提供している.例えば,移動音源処理に向けた機能, 音源分離の各種パラメータの詳細設定機能,設定データ可視化・作成ツール などである.また,Windows の サポート,OpenRTMへのインタフェースなども進行中である.
HARKは,ダウンロードし,インストールするだけでもある程度の認識は可能で あるものの,個々のロボットの形状や使用環境に合わせたチューニングを行え ば,さらに音源定位,音源分離,分離音認識の性能が向上する.このようなノ ウハウの顕在化には,HARKコミュニティの形成が重要である. 本稿がロボット聴覚研究開発者のクリティカルマスを超えるきっかけ となれば幸いである.