3話者が同時に料理を注文するのは,デモとして不自然であるとのご意見が あったので,同時発話が不可欠なゲームを対象とした. ジャンケンを言葉で行う「口ジャンケン」である.「口ジャンケン」の 面白さは,相手に顔を見せずにジャンケンができたり,暗闇でもジャンケンが できることにあるものの,問題を誰が勝ったのかがすぐに分からないことである. ロボット聴覚機能のついたロボットに,口ジャンケンの審判をさせようと 言うわけである [17].
口ジャンケン審判のプログラムは,前述の3話者同時発話認識と 対話戦略のところだけが異なっている.ジャンケンが正しく発話 されたか,つまり,後出しをしたプレーヤはいないか,をチェック してから,誰が勝ったのか,あるいは,勝負がアイコだったのか, の判定を行い,結果を知らせる.もし,勝負がつかない場合には, 再度ジャンケンを行うようにプレーヤに指示をする. (ニュースサイエンティスト誌の記事を参照)
本システムの詳細は,ICRA-2008の論文[17]に書かれて いるので,興味のある方はそちらを参照していただきたい.