6.7.26 SourceSelectorByID

6.7.26.1 ノードの概要

複数の音源分離結果のうち,IDが指定した値以上のものだけを 出力させたいときに用いる. 特に, GHDSS ノードのFIXED_NOISEプロパティを trueにした場合は, 定常ノイズ分離結果に負のIDが振られるので, それ以外の音を処理するためのフィルタとして使用する.

6.7.26.2 必要なファイル

無し.

6.7.26.3 使用方法

どんなときに使うのか

音源分離ノード GHDSS は,ロボットの電源を入れるが移動はさせない. すなわちノイズ(ファンの音など)が定常かつ既知,という条件下で音源分離をする場合, そのノイズの分離結果のIDを-1として出力する. このとき,GHDSS ノードの後に SourceSelectorByID を接続し,MIN_ID を 0 に 設定すると,定常ノイズの分離音を以後の処理で無視することができる.

典型的な接続例

6.120 に接続例を示す. 図に示すように,このノードは,典型的には GHDSS の後段に接続される.

\includegraphics[width=\linewidth ]{fig/modules/SourceSelectorByID}
Figure 6.120: SourceSelectorByID の接続例: これは Iterator サブ ネットワーク

6.7.26.4 ノードの入出力とプロパティ

入力

INPUT

: Map<int, ObjectRef> 型.通常は音源分離ノードの後段に接続されるので, Map のキーになる int には音源IDが対応する. ObjectRef は分離を表すVector<float> 型 (パワースペクトル) か Vector<complex<float> > 型(複素スペクトル)である.

出力

OUTPUT

: Map<int, ObjectRef> 型.音源IDがMIN_IDより大きいデータだけを 抽出したデータが出力される.Map の内容は INPUT と同じに なる.

パラメータ

Table 6.113: SourceSelectorByID のパラメータ表

パラメータ名

デフォルト値

単位

説明

MIN_ID

int 

0

 

この値より大きいIDの音源は通す.

MIN_ID

: int 型.このパラメータ値以上の音源IDを持つ分離音を通過. デフォルト値は 0 .GHDSS の後段に接続するのであれば変更不要.