時間領域の音声データをファイルに保存する.SaveRawPCM ノードとの違いは, 出力されるのがヘッダーを持つ WAVE 形式のファイルである点である.そのため, 例えば audacity や wavesurfer などで読み込む際に簡単である.また,ファイルを AudioStreamFromWave ノードで開きたい場合は,この SaveWavePCM で保存する.
無し.
どんなときに使うのか
SaveRawPCM ノードと同様に,分離音を聞いてみたい場合や,多チャンネルの 音声データ録音を行う場合に用いる.
典型的な接続例
使い方は,サンプリング周波数をパラメータとして指定する必要がある以外は SaveRawPCM ノードと同じである. 図6.8,6.9 の例において SaveRawPCM ノードを SaveWavePCM ノードに入れ替えて使うことができる.
パラメータ名 |
型 |
デフォルト値 |
単位 |
説明 |
BASENAME |
sep_ |
保存するファイル名のプレフィックス. |
||
ADVANCE |
160 |
[pt] |
ファイルに保存する音声波形の分析フレームのシフト長. |
|
SAMPLING_RATE |
16000 |
[Hz] |
サンプリング周波数.ヘッダを作成するために使用する. |
|
BITS |
int16 |
[bit] |
ファイルに保存する音声波形の量子化ビット数. |
|
int16 または int24 を指定可. |
入力
: Map<int, ObjectRef> または Matrix<float> 型.前者は分離音など,音源 ID と音声データの 構造体,後者は多チャネルの音声データ行列.
出力
: Map<int, ObjectRef> または Matrix<float> 型.入力と同じものが出力される.
パラメータ
: string 型.デフォルトは sep_.ファイル名のプレフィックスを指定する. 出力されるファイル名は,音源 ID が付いている場合は “BASENAME_ID.wav” となる. 3つの混合音を分離した結果の分離音のファイル名は,BASENAME が sep_ のとき, sep_0.wav,sep_1.wav,sep_2.wav などとなる.
: int 型.他のノードの ADVANCE の値と揃える必要がある.
: int 型.他のノードの SAMPLING_RATE の値と揃える必要がある. この値はヘッダに書き込むために用いられるだけであり,このパラメータを変更してもA/D 変換 におけるサンプリングレートを変更することはできない.
: string 型.ファイルに保存する音声波形の量子化ビット数.int16 または int24 を指定可.
保存されるファイルのフォーマット: 保存されるファイルは,ヘッダ情報を持つ WAVE ファイルとして記録される. したがって,ファイルを読む際には,特にサンプリング周波数とトラック数, 量子化ビット数を指定しなくてもよい.
また,入力の型によって書き出されるファイルは次のように異なる.
このとき書き出されるファイルは,入力の行の数だけチャネルを持った 多チャネル音声データを含む WAVE ファイルとなる.
このとき書き出されるファイルは, BASENAME の後に ID 番号が付与されたファイル名で, 各 ID ごとにモノラル音声データが書き出される (1 つのファイルには 1 つの ID に対応する音声データのみ).