図 14.15 に実行例を示す. 実行後,MFBANK13_0.spec というファイルが生成される. このファイルは,リトルエンディアン,32 ビット浮動小数点数形式で表された 13 次元ベクトル列を格納している. 失敗するときは,data ディレクトリに f101b001.wav ファイルがあ るかチェックしよう.
本サンプルに含まれるモジュールは,12 個である. MAIN (subnet) に 3 個 MAIN_LOOP (iterator) に 9 個のモジュールがある. MAIN (subnet) と MAIN_LOOP (iterator) を 図 14.16,14.17 に示す. 処理の概要は,AudioStreamFromWave モジュールで取り込んだ音声波形を MSLSExtraction で音響特徴量を計算し,SaveFeatures でファイルに書き出す 単純なネットワーク構成である. MSLSExtraction は, MSLS の計算に メルフィルタバンクの出力とパワースペクトルを必要とするため, 取り込んだ音声波形は, MultiFFT によって分析され, MatrixToMap と PowerCalcForMap によってデータ型を変換した後に MelFilterBank により メルフィルタバンクの出力を求める処理が入っている. MSLSExtraction は, MSLS 係数の他に MSLS 係数の格納領域をリザーブし,MSLSExtraction の FBANK_COUNT プロパティで指定した値の 2 倍のベクトルを特徴量として 出力する( MSLS 係数の格納領域には 0 が入れられている). そのため, MSLS 係数のみを求めるためには,ここでは不要な MSLS 係数領域を削除する必要がある.削除には FeatureRemover を用いている. SaveFeatures は,入力 FEATURE を保存する.入力 SOURCES には ConstantLocalization で生成した正面方向の定位結果を与える.
表 14.13 に主要なパラメータを示す. 重要なモジュールは,MSLSExtraction である.
ノード名 |
パラメータ名 |
型 |
設定値 |
MAIN_LOOP |
LENGTH |
subnet_param |
2 |
ADVANCE |
subnet_param |
3 |
|
SAMPLING_RATE |
subnet_param |
4 |
|
FBANK_COUNT |
subnet_param |
5 |
|
DOWHILE |
bool |
(空欄) |
|
MSLSExtraction |
FBANK_COUNT |
subnet_param |
FBANK_COUNT |
NORMALIZE_MODE |
string |
Cepstral |
|
USE_POWER |
bool |
false |