7.2.3 使用方法

重要なオプションは3種類で, 動作モード (録音, 再生, 同時録音再生)と, 使用デバイス (ALSA, RASP),そして動作指定オプションである. それぞれ自由に組み合わせた指定が可能である. wios  の詳細なオプションは、引数なしで実行すると見ることができる.

たとえば ALSA デバイス plughw:1,0 を使用して 44.1kHz2秒 録音し, voice.wav に保存したい時は次のようにすればよい.

wios -r -x 0 -a plughw:1,0 -f 44100 -t 2 -o voice.wav

RASP デバイス 192.168.33.24 を使用して tsp.wav を再生する場合は次のようになる.

wios -p -x 1 -a 192.168.33.24 -i tsp.wav

RASP デバイス 192.168.33.24 を使用して tsp.wav を再生しながら rec.wav に保存する(同時録音再生する)場合は次のようになる. -a は同一デバイスであるため省略できる.

wios -s -x 1 -d 192.168.33.24 -i tsp.wav -o rec.wav

ALSA デバイス plughw:1,0 を使用して tsp.wav を再生しながら ALSA デバイス plughw:2,0 を使用して rec.wav に保存する(同時録音再生する)場合は 次のようになる. -a は別のデバイスであるため省略できない.

wios -s -x 0 -d plughw:1,0 -a plughw:2,0 -i tsp.wav -o rec.wav

RASP デバイス 192.168.33.24 を使用して tsp.wav を再生しながら ALSA デバイス plughw:2,0 を使用して rec.wav に保存する(同時録音再生する)場合は 次のようになる. 再生デバイスと録音デバイスの種別が異なるため-x の代わりに -y-z を使用する.

wios -s -y 1 -d 192.168.33.24 -z 0 -a plughw:2,0 -i tsp.wav -o rec.wav

他のコマンド例は, HARK cookbook の「多チャネル録音したい」を参照.

次に,オプションの種類ごとに説明する.

7.2.3.1 動作モード

録音

: オプションに -r or --recを与える. -o or --ad-file オプションでwaveファイル名を与えると, 指定されたデバイスを通してマルチチャネルの音を録音できる. ファイル名を与えない場合のデフォルト名は ad.wav

再生

: オプションに-p or --play を与える. -i or --da-file オプションでwaveファイル名を与えると, 指定されたデバイスを通して音声を再生できる. ファイル名を与えない場合のデフォルト名は da.wav

同時録音再生

: オプションに -s or --sync を与える. -i or --da-file オプションに再生するファイル名を, -o or --ad-file オプションに録音するファイル名を与える. すると wios  はファイルの再生と録音を同時に開始する.

7.2.3.2 デバイスの選択

デバイスは, デバイスの種別とデバイス名を表す2つのオプションを使って指定する. デバイスの種別を指定するには-x or --dev-type を使用する. --sync モードにおいてD/AデバイスとA/Dデバイスを個別に指定する場合は -y or --da-dev-type (D/Aデバイス) と -z or --ad-dev-type (A/Dデバイス) を使用する. デバイス名を指定するには-d (D/Aデバイス) と-a (A/Dデバイス) を使用する.

ALSA

: ALSAのデバイス種別は0 である. つまり-x 0-y 0-z 0 と指定する. 使用するデバイスは-d or --da-dev-name (D/A:再生時) または-a or --ad-dev-name (A/D:録音時)で指定する. デフォルトは plughw:0,0

RASP

: RASPのデバイス種別は1 である. つまり-x 1-y 1-z 1 と指定する. 使用するデバイスのIPアドレスを-d or --da-dev-name (D/A:再生時) または-a or --ad-dev-name (A/D:録音時)で指定する. デフォルトは 192.168.33.24

上記のオプションに加えて, -x の値ごとに,デバイス専用の追加オプションを指定することも可能. 詳しくは wios  を引数なしで実行した際のオプションを参照.

7.2.3.3 動作指定